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全くこの世には神も仏もないのか?何故ゴヒのような男にミドリのような可愛い彼女ができるのだ?全く女心とは分からないもので何回かのデートを経て二人は恋人同士とかいうあの関係になっていた。あ~いやだいやだ。全く最近の若い連中はすぐにくっつきやがって。非番の二人は今日もデートだ。はいはいお熱うございますね。いつもの待ち合わせに使う駅。ミドリは15分も待たされていた。そこに現れるゴヒ。
「いや~ごめんごめん」
「んもぉゴヒはいつも待たせるんだからぁ」
「ワリイ!その分今日はえっちでサービスするよ~!!」
「(バカ!!声が大きい!!)」
ミドリはゴヒのみぞおちにエルボーを喰らわせた。
「ぐふぉっ!!」
腹を抱えて洒落にならない苦しさを味わうゴヒの耳に悲鳴が聞こえた。
「ギャー!!」
悲鳴の方向を見ると血だらけの顔を手で押さえる男。逃げ惑う人々。その中心に出刃包丁を振りかざす太った中年の男がいた。
「通り魔よ!!」
とミドリが叫んだ。続けてゴヒが言った。
「またかよ。今月で四件目だ・・・」
短パンに返り血を浴びた丸首シャツの男は包丁を振り回しながら叫んだ
「うお~電波じゃ~!!電波がワシに命令するんじゃ~」「わ~今度の犯人も電波系だよ早く逃げようよミドリちゃん」
駅前はパニック状態となっていた。見かねてミドリは言った
「あのねえゴヒ!?お前METの隊員だろ?なんとかしないのかよ?」
「え~?管轄とか違うしさあ、警察に任せようよお」
「そういうところが駄目なんだなあ、ゴヒは。見てろよ~これ持っててね」
ミドリはハンドバッグをゴヒに押し付け駆け出した。
「あ!危ないよおミドリちゃん!!」
ミドリは包丁男に近づいた。
「大人しくしなっ!!」
「なんじゃい?おのれは~?」
男は包丁を振り下ろした。身をかわしミドリはキックを男の手に食らわせた。包丁は弾き飛ばされた。そのままミドリは体を半回転させ男のみぞおちに掌底をぶち込んだ。
「げほっ!?」
腹を抱えて前かがみになった男の脳天にかかと落とし。通り魔は気絶した。周囲から拍手が巻き起こった
「大丈夫~?」
ゴヒが駆け寄ってきた。
「平気、平気。八極拳とテコンドーその他諸々お得意のミドリおねえさんだもんね」
短い髪の乱れを手で直しゴヒからバッグをもぎとった。
「いい?でもねゴヒ、今度何かあったらあなたが私を守るのよ。」
「も、勿論だよ!」
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