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ラブホテルの瓦礫から、ビット星人の円盤が脱出する。
「いやっ!だからこんな星攻めるの嫌だったのよキライ、キライ、ウルトマの一族なんて・・・」
その声はテレパシーのようにゴヒにも聞こえた。
「…だいたいあなた達ウルトマの星の連中があんな…」
ゴヒの意志とは無関係に、つまりリオンの意志によって目からブラスターが発射され円盤に当たった。円盤はビッチ星人もろとも砕け散った。ゴヒはいぶかしく思った。
(え~別に逃がしても良かったんじゃないの?)
(ダメですよあいつらは凶悪な宇宙のテロリストなんだから。テロリストは許しません。それよりミドリさんをなんとかしなきゃ)
(あ!そう言えばミドリちゃんは?)
それらしく空の彼方に飛び去る振りをして人間の姿に戻る。
「ミドリちゃーん!!」
周囲に散らばっている瓦礫。その中で彼女は、裸身にシーツを巻いた姿でウルトマランが飛び去っていた方向を眺めていた。
「あ!無事だったんだ!!おーい大丈夫?」
「平気よ。ウルトマランが助けてくれたから・・・」
ミドリの表情は怒りに満ち満ちていた
「そんなことよりゴヒ、あんた私を放っぽらかしにしてどこ逃げてたのよ!?しかも裸のまんまで!?」
慌てて股間を隠しながらゴヒは言った
「いや、だから、ウルトマランになって怪獣と戦っていたんだよ」
「あ~またそんなすぐばれる嘘ついて。今度はゴヒがアタシを守るって約束したよね?」
「いや、だからそれはね」
「言い訳すんんじゃないわよっ!!」
普通は平手打ちなのだがミドリは武術の心得がある。重たい突きがゴヒの腹に叩き込まれた。
「サヨナラ。もう愛想が尽きたわお別れよ」
崩れ落ちるゴヒをそのままにしてミドリは去っていった。それを瓦礫の影から嬉しそうに見つめるヤマダ隊員の姿があった。(つづく)
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