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それは人間の女性に見えた。フライトスーツの様な物を着ている。ゴヒは駆け寄った。その“女性”を抱き起こした。
「お!すげえ美人じゃん」
それは人間の、それも東洋人の、しかも美人の女性にしか見えなかった。
「しっかりして下さい!!」
と、頭の中にウルトマランリオンの声が響いた
(ちょっとちょっとゴヒさん気をつけて下さいよこれ宇宙人なんですから)
「何言ってるんだよこんな可愛いヒトが宇宙人の筈無いじゃないか」
(状況から見て絶対宇宙人ですって)
「ん~?確かにこの胸の大きさは日本人離れしているかも?」
(ちょっとどこ触ってるんですか?遂に宇宙人の胸を触るまで堕ちましたか?)
「いや宇宙人にしたってこんな美しい女性が悪い宇宙人なんてありえないよ。地球の核戦争を警告しにきたか何かのエンジンの設計図を持ってきたんだよ絶対に」
“彼女”は目を開けた。ゴヒの期待を裏切るが如く彼に銃を突きつけて言った
「動かないで」
METはゴヒを発見する事はできなかった。墜落地点周囲をヒカル隊員とフジタ隊員が探索したが二つの残骸以外の物は発見できなかった。
「アハ、アハ、ね?フジタさんどう思います?」
「う~ん、円盤は無人じゃあなかったようだ。何者かが乗っていた…そいつもいないとなると最悪ゴヒを人質にどこかに潜伏しているのかも?」
「え~?ってことはゴヒさんピ~ンチ!!ですね」
報告を受け司令室でオガタ隊長は腕組みをした
「むう山狩りをするか…いや。おい!二人とも帰還しろ。捜索は打ち切りだ」
それを聞いてミドリは隊長に詰め寄った
「どうしてですか?ゴヒが危ないかもしれないのに!?」
「最近、怪事件が頻発している。人員をさく訳にはいかん」
「ひどい!ゴヒがどうなってもいいんですか?」
「あいつもMETの隊員だ。覚悟はできている筈だ」
「そんな、そんな・・・」
ミドリの目に涙が浮かんだ。
(ゴヒ?今どこにいるの?生きてる、生きてるよね?)
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