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アユカは更に続けた。
「私と融合したイリスもそうだった。彼女は怪獣に敗れた時に私に真実を教えてくれたの。超能力を私に残して。ウルトマの本星は警戒が厳重なの。だから抵抗する勢力は地球やチュラ星や・・・殖民惑星で戦うの」
(ただのテロ活動だ。一般人を巻き込んだ。許せない)
ゴヒの意志とは無関係にウルトマランの手が動いた。十字に組まれた手からほとばしる光。アユカは身をかわした。光線は一瞬の内に部屋を燃え上がらせた。ゴヒはミドリを抱きかかえて外に飛び出した。
「なんてこった。どっちの言う事が本当なんだ?」
(私に言えることは、これが宇宙の現実だということです。我々がいなかったら銀河系の勢力に地球が呑み込まれるのも、また事実です。私はウルトマの正義を信じるだけです)
アユカは巨大化していた。アパートの炎に銀と赤の体が照らされている。
「シャーッ!」
飛び上る女神のような姿のウルトマラン。
(追いかけましょう)
ゴヒのウルトマランも巨大化し、後を追った
「待て!!どこまで行く気だ!?」
「おほほ止められるかしら?」
二人の姿はいつしか海上にあった。ゴヒは気付いた
「まさか?SSTが狙いか?」「そうよ。あそこを破壊すれば侵入はもっと簡単になる」
「バカな?あそこの防衛システムはそうやすやすとは・・・」
SSTはあと僅かの距離だった。システムが発動し、接近してくる二つの飛行物体に向け、ミサイルが発射される。その身に何発かミサイルを浴びながらもアユカはスピードを落とさなかった。
(まさか・・・死ぬ気なのか?)
アユカが叫んだ
「ゴヒさん、あなたも地球人なら、地球人の為に戦いなさい!私はチュラ星の為に命を掛ける!!」
SSTはバリヤーを張った。苦痛に身悶えしながらアユカはそれを突破した。しかし彼女の体は傷つきもはやエネルギーが残っているようにも見えなかった。
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