5人が本棚に入れています
本棚に追加
ルードが手を直角に組み光線を放つ。これも本体への効き目は無かったが、稲光は止まった。続けて頭の鶏冠状の突起を外し、光と共に投げ付ける。いつもならば怪獣を軽く切裂くのだが、やはりアマゲドンには効かなかった。アマゲドンは口から黄色い光線を吐き出した。ルードの胸に命中した。火花が飛び散り彼はそのまま崩れ落ちた。ゴヒが叫んだ。
「ルード!」
(大丈夫ですまだ彼は死んでいません)
しかし打つ手は無かった。アマゲドンの角の一本が鞭のように伸び、ウルトマランリオンを打ち据える。何発も何発も。消えそうになる意識の中でゴヒは思った。
「負けるなあ、やっぱり敵わないなあ、死んじゃうかもしれないなあ」
走馬灯のように今までの思い出が甦った。裕子、秀美、千恵子、ミドリ、そしてアユカ・・・ゴヒの脳裏にあの女ウルトマ戦士の最後の姿が浮かんだ。
「ねえ、リオン、ウルトマダイナマイトならやれるかなあ?」
リオンが答えた。
(おそらく。これまでも何回かウルトマダイナマイトで何頭かのアマゲドンは倒されてます)
「使える?」
(ええ。でも死んじゃいますよ?いいですか?)
「覚悟してるさ。でもごめんね。リオン、地球人の為に・・・」
(私も、覚悟してますよ)
アマゲドンの鞭を掴み動きを止めた。そのまま逆にアマゲドンを振り回した。力を込めて地面に叩きつける。それでもなおダメージを負っているようには見えずアマゲドンは立ち上がる。ウルトマランはジャンプしアマゲドンの後ろに回り込んだ。怪物が逃げられぬように羽交い絞めにした。
(いきますよ、ゴヒさん)
全身のパワーを胸のタイマー部分に集中する。ゴヒは全身が熱くなるのを感じた。何も悔いは無い、と思う。少し死ぬのが怖くなったが止める気には全くならなかった。俺の死でみんな助かるんだなあ、こうなる為に俺は今まで生きてきたわけだ。リオンとゴヒは同時に叫んだ。
「ウルトマダイナマイト!!」
最初のコメントを投稿しよう!