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ウルトマの父は目から光線を二人に浴びせかける。二人の体はアメーバのように変形し、光を放ちながら段々と融合していく。ウルトマの父は言った。
「地球人よ、お前にリオンの体と心を預ける。リオンの地球での仮の姿になってもらうぞ」
「そんなの嫌だよ~」
「元に戻して欲しかったら腰抜けのリオンの代わりにお前の心で戦うのだ。次のウルトマランが決まったら分離してやる」
‥そしてリオンとゴヒの二人は融合を終え、ゴヒウデキの姿が残った。呆然と立ちすくむゴヒ。父は金属の棒を渡した。
「このΣカプセルで変身するのだ。お前に選択の余地は無いぞ!」
父はゴヒにカプセルを無理矢理持たせてスィッチを押した。閃光がはしりゴヒを包む。気が付くとゴヒの目の前でゴダンが吠えていた。
(げぇっ!怪獣が目の前に?マジかよ?)
地上のMET隊員が声援を送った。
「頑張れ!ウルトマラン」
(くそ。なんでオレがやんなきゃならないんだよ?)
ゴダンの口から爆弾ダンゴが飛びだした。胸に、足にあたり爆発する。
(イテ!熱い熱い!この野郎!)
怒りに我を忘れてゴダンに挑みかかる。
(この!この!)
腐ってもMET隊員。格闘の訓練は受けている。キックやパンチが決まる。(ニャロメ!お前のせいでオレはこんな目に!)
八つ当たりのパンチが効きゴダンの動きが鈍る。
(今ですゴヒさん、手を十字に!)
(お、ウルトマランの決め技だね!)
交差させた腕から青い光りがほとばしった。爆発するゴダン。ゴヒのウルトマランは飛び去った。それを見送るフジタとタクマ。
「ありがとう!ウルトマラン」
そこに手を振りながらゴヒが駆け寄ってきた。
「お~いみんな~!」
「ゴヒ!てめぇどこにいやがった?」
「怪獣ならウルトマランがやっつけたぜ!」
「わっはっはっオレがそのウルトマランなのさ!オレが怪獣やっつけたんだよ~!」
フジタとタクマはゴヒに殴りかかった。
「わ~何するんだよ~」
たちまちボコボコにされるゴヒ。
「ふざけるな!どうせ逃げてたんだろ?」
「もっとマシな嘘をつけよ!人間があんな巨人になれるもんか!」
蹴られながらゴヒは(面倒な事になったなあ)と思っていた。
つづく
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