第2話「遊星より愛をこめてる場合かよ」

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そもそも、ゴヒという男がMETに入隊したこと自体間違いなのだ。今日もMETのミーティングの最中だというのにオガタ隊長の話を全く無視して対面に座るミドリ隊員を誘っている。ショートカットの活動的な顔つきの美人だ。 「ねえねえ。次の非番の日さ~。いいじゃん。」 ミドリ隊員は無視を決め込んでいるがゴヒは構わずアプローチを続ける。オガタ隊長が話を続けているにも関わらずにだ。 「諸君。近年の怪獣出現の影には外宇宙からの侵略者の関与がある。そこで・・・」 「フランス料理をね、おつまみ感覚で食べさせてくれるんだよ」 「そこでSSTのステーションとの連携を密にし・・・」 (・・・バカ。ゴヒィ、隊長が見てるわよ。隊長がぁ) 「そこでビール飲むのが今おっしゃれなんだよ~」 オガタ隊長の目が鋭く光りホルダーのイレイザーガンを抜いた。狙いはゴヒにつけている。 「人の話を聞かんか~!?」 抜き打ちざまオガタ隊長のガンから光がほとばしりゴヒを直撃した。椅子から飛び上がり悲鳴をあげるゴヒ。 「あちゃちゃちゃちゃっ!!隊長何するんですか~?死にますよ俺」 「ふん。最低出力にしてある。ミーティング中に何をセクハラしとるんだ」 「チッチッチッ、本人が嫌がらなけりゃセクハラじゃないんじゃないですか?ねえミドリちゃん」 「隊長、もう一発撃っちゃっていいです」 とミドリが言うやいなや再び閃光がゴヒに放たれた。もんどりうつゴヒ。タクマ隊員があきれた。 「やれやれ。もてない男はつらいねえ」 仰向けに倒れてケイレンするゴヒに一人の女性隊員が駆け寄った。ヤマダ隊員に介抱されてはたまらない。その思いがゴヒを立ち上がらせた。 「平気!平気!なんてったって俺はウルトマランその人なんですからね~」 ミーティングに参加しついる隊員全員がやれやれといった表情になった。煙草に火をつけタクマ隊員があきれながら言った。 「その冗談は聞き飽きた。第一面白くないぜ。」 小柄な美青年ヒカル隊員も笑いながら言った 「そうですよ。この前の健康診断でもなにも出なかったじゃあないですか。」 「さ!アホはほっといてミーティングを続けるぞ!」 「んもう、ゴヒの馬鹿馬鹿」 とヤマダ隊員がしなを作った。 「くそお、だ~れも信じないんだもんなあ」 その時、スクランブルが鳴り響いた。
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