Vol.4

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ねえ、ダーリン。 歯軋りするのを止して頂戴。電池切れの動物型玩具でも、そんな悲しい音を出せやしない。蜂蜜たっぷりのミルクも宵待草も、ちっとも欠伸を誘わない。沈みそうな月が、静まる都市に影を落として、微睡む人は唖し黙る。ランプを燈して、このまま瞼を閉じられなかったら、私はサカナに成るのでしょう?そうして月まで泳いでいって、クレータに擬態して。太陽に内緒で、星屑に混じったあなたのお下がりだけを拾うのでしょう?
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