闇路に囚われて

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朝の屯所では、池田屋のときと同じように多くの隊士が武装して佇んでいた。 池田屋で額に傷を負ったはずの平助。 前回の、原田と周平の揉め事のときはしゃいでいたとおり、彼はぴんぴんしている。 だから残党狩りに駆り出された。 指を斬られた永倉も同様だ。 傷は深くまだ癒えてはいないが、当たり前のように出陣した。 土方は浅葱の羽織をまとい、鉢金をぎゅっと額に縛りつけている。 「よし……お前ら! 落ち延びた池田屋の残党を捕まえて、会津藩に手柄を送りつけてやるぞ!!」 うおぉぉぉ!! 狼の群れが吠えるように、隊士たち全員が拳を空高く突き上げた。 「怪しいものは直ぐ様縄にかけろ。俺たちを見て逃げたら斬っても構わん。ただし、絶対に殺してはならんぞ」 近藤は子供をあやすように優しく、大きな声でそう言った。
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