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旦那がいつものように仕事を始めようとすると…
「山本!船まわすぞ!」
旦「…何で?」
「新人がとんだ!!」
旦「マジで?!」
とんだとは、海に飛び込むって事らしいです。
マグロ船ではよくある事で…
そのほとんどがホームシックになり、気がおかしくなって海に飛び込むそうです。
海に落ちたら最後…
絶対と言っていいほど見つからないそうです。
結局新人君は…見つから無かったそうです。
すると船員Aが言ったそうです…
A「あいつ…海に飛び込んだんや」
旦「そうみたいやな…ってか今更何?」
A「違う…そうじゃなくて!あいつ…俺の後ろに居って…急にボチャンって水音がして振り向いたら…」
旦「…そうか。まだ目の前でとばれんくて良かったな」
こんな事は日常茶飯事だったみたいで旦那は気にもして無かったみたいですが…
しばらくして食料庫がよく荒らされるようになったそうです。
旦「ねずみでもおるんちゃうか」
コック長[船で船員達の食事を作る人]がほとほと困っていたみたいで…
コ「ねずみは冷蔵庫開けないでしょ?前は炊飯器が開いたままだったよ」
旦「ん~…じゃあ幽霊か?」
なぁーんて言ってた夜…
「ギャーーー!!!」
凄い叫び声がしたので旦那が走っていくと…
食料庫のドアの前で尻餅ついてる船員が…
旦「何があったんや?!」
「あ…あそこに…なっなんかおる!!」
他の船員達と中を見ると冷蔵庫が空いてる前で何かがごそごそ動いてたそうです。
よく見えなかったそうですが…その何かが旦那達の方を向いてスーッと消えていったそうです。
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