花守人

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 綾鷹の誕生日、その時は来た。  九頭龍家で盛大にお祝いした後、  天童家・巴家・早乙女家・九鬼家・秋鹿家・不破家、  六の家から一人ずつ、それそれが綾鷹の元に残っていた。  中央の椅子に座る綾鷹をそれぞれが囲む。 「あれ、桜華様からは女性だと聞いていたんだけど」  一番年上とも思える男が一番に言葉を発した。  秋鹿 國光だ。  彼は柔らかい口調で話すと首を傾げた。 「見りゃわかんだろ、女に見えるか?」  右隣の少年、綾鷹よりは少し年上だろうか。  九鬼 昂揚。その彼が乱暴に言葉を放つ。   「……香は女性」  反対に左隣りの少年、落ち着いてはいるものの背格好は綾鷹よりは年下に思う。  不破 淕號は誰よりも大人びている。  裏分家の三人だ。 「なるほど、両性ということか」  頷いて、前に出て綾鷹の顔を覗く。  整った顔立ち、歳は先の昂揚と同じぐらいだろうか。  天童 茂盛は納得したように微笑んだ。 「茂盛、この子お嫁さん?」  視線は茂盛へ、指先は綾鷹へ。  巴 和清は独特な雰囲気で問いかけた。 「嫁というのはちょっと違うんじゃないかな、婚約者だけど同姓だし」  絶えず微笑んでいた早乙女 豊久が口を開き、和清に応えた。  表分家の三人。  見るからに、表と裏が仲違いしているというのは本当のようだ。  今も綾鷹を挟んで、右と左とで綺麗に分かれているのだから。 「一度に詰めかけないで頂きたい。綾鷹様も混乱なさります」  後ろでは控えていた道重が、閉ざしていた口を開いた。 「……道重、お前変わっていないな」 「お前もな、國光」 「道重、知り合い……?」  綾鷹は道重と國光を交互に見た。
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