第1章 私生活

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そんなこんなで、4時間目終了のチャイムが鳴る。 「よーし、じゃあ今日はここまでだ。ここの問4は宿題だからなー。忘れずにしてこいよー」 担任の教科は数学。 問4の問題は結構難しい問題だ。 それなのに、既にその問題を解いた二人がいるようだ。 「よっしゃ!!じゃあ俺は宿題ないじゃん!!」 「私も~」 「ったくさー、何っでアコトラは二人共遅刻常習犯なのに頭良いのよー!!!」 アコトラとは、もはやこの学校の名物とも言える亜胡と兎羅を合わせたあだ名みたいなものだ。 そして、その会話を聞いて教室を出ていこうとしている担任は、笑顔で亜胡達の方に振り向き、その笑顔のまま言い放つ。 「宿題終わったか。そうか。それは良いことだ。だがな?放課後、絶っっっっ対に来いよ?職員室」 どうやら担任はアコトラの二人が逃げると思っているようだ。 「あ、はいはーい。分かってるよがっきー」 「がっきーとのあの約束は忘れてないって♪」 「それなら良いんだがな…。あ…あと斎藤のその言い方なんか気持ち悪いぞ」 担任は少し溜め息をつきながら教室を出ていった。 ガラガラ――…ピシャン… .
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