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繋がれた手は貴弘の部屋に入ると名残惜しそうに離れていった。
ソファに腰を下ろして幸せな気持ちに浸っていたら、今日は乾杯しようかと彼の手には既にワインとグラスが準備されていた。
貴弘が開けてくれたワインを注ぎながら今まで感じたことのない幸せに頭が追い付かなさそう。
「乾杯っ」
2人でグラスを鳴らした。
ポツリポツリとする会話。お互いのグラスが空になると注ぎ足して…と、その繰り返し。
やっと頭が幸せに浸ってきて、そこへアルコールが入って更にフワフワした気分になってしまった。
「未花子、酔った?顔、赤い。」
何回かワインを注いでくれた後、そう言いながら頬に触れられた。
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