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呆れるように吐き出した彼の言葉。
そして、今度は私の目の前に差し出してくれた指輪の箱を両手に閉じ込めながら話を続けた。
「未花子が唇を噛んでるとき、あぁ我慢してんだって気付いたのは結構前だったんだよ。それから何となく気になって見てるとスゲェなと思ったの。」
「…なにが?」
「仕事は手を抜かないし、回りにも常に気を使ってた。」
「え?いや、でもそれは普通の事だよ?」
社会人なら多かれ少なかれ、当たり前のことだよ。
そこまで話終えたとき立ち上がりこちらへ近づいてきた。
まだ貴弘の言いたいことが見えずに目を泳がせてると頭を彼の両手で固定される。
「オレも、そうなりたかった…し、未花子に認めてほしかった…って言わなかった?」
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