序章

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勇者「物流……?」 魔王「まぁ、早い話、物の流れだ。食べ物や着るものや、  生活用品から武器、鉄、木材に至るまで全てだな」 勇者「これは『南部諸王国』でどんどん使ってるのか?」 魔王「そうだ。戦争は何でも大量に消費されるからな」 勇者「……『南部諸王国』はどうやって支払ってるんだ?」 魔王「ん?」 勇者「だって物を買ったらお金が必要だろう?」 魔王「ああ、良いところに気がついたな。偉いぞ」 勇者「撫でようとするなっ」 魔王「うっかりだ。そう、許可がない限り触れない。  私は契約を重視するタイプなのだ」 勇者「どうやって購入してるんだよ」 魔王「中央大陸危機会議決議による、戦時支援基金でだ」 勇者「……?」 魔王「わからないか。つまり、全世界が戦争中の  『南部諸王国』に義援金を送ってるんだ」 勇者「そうだったのか!! 人間の善の心に祝福を!  どうだ魔王、これが人間のもつ優しさだ」
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