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目的地へと急ごう。
寒空の下、思考を働かせつつ立ち止まっているのは自殺行為だと言えよう。
だって寒くて死んじゃう。
少しでも体を動かし体温を上昇させる行為に励もう。
体温を上昇させながらも目的地へとの距離を縮める。
まさに、一石二鳥だな。なんて秀才なんだろう…。
おっと、自分を褒め称えているうちに目的地、否、セ○ンに到着。
自動ドアが僕の為に開いてくれる。
超俺様気分。
誰が僕の胃袋を癒してくれる救世主に、なって、くれる、か…。
「あれ?烏幸じゃんか。」
誰だ。僕の幸せではなく、鳥の幸せを願った親の意図がよう分からない僕の名前を口にしたのは。
「こんな時間にどうしたんだよ?しかも、制服のままでさ。」
「こんな時間?」
「いやもう十時を軽く回ってますよ。」
思わず携帯を確認。おお、マジだ。
「で、どうしたの?まさか家出?」
「いや一人暮らしだから家出をする確率は極めて低いと思う。」
なんだコイツ、やけに馴れ馴れしいな。
「そっか。よし、クラスメイトとして相談くらいにはのってやろう。」
クラスメイト…。
そういえばこんな奴居たような気もしないでもない。
パッと見犬みたいな人物。
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