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「えっと…。」
僕の脳は興味のない名前は記憶しないという都合の良い脳のようだ。
しっかりしろ、僕の記憶力。
「もう半年は同じクラスなんだから、名前くらい覚えててもらってもおかしくないの思ってたんだけど…。」
僕の反応を見て察してくれたようだ。
彼の頭脳が羨ましい。
「しょうがない。約半年ぶりの自己紹介をしようか。名前は新渡戸涼太。部活動は…」
「帰宅部?」
「なんだ、覚えてんじゃん。」
「なんとなくだよ。」
その場から立ち去り、自分の目的に集中しようと食料エリアに移動すると何故か新渡戸とやらは付いて来る。
ふむ、どうしたものか…。
あ。
「鍵、無くしたんだよ。」
品定め中にふと思い出し、声を掛けてみる。
片手に甘いものを所持しながら驚いた表情で振り返る新渡戸涼太。
僕が話しかけると何か可笑しいのか。
「え?」
遅めの反応が返ってくる。
「相談にのってやるって、君さっき言っただろ?」
「ああ、うん。」
「だから相談してみる。寝床を探してるんだが、何か良いところはないか?」
「うーん…。外で寝たことないから何とも言えないな。」
ですよねー。
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