フィクション

日常。

今の現状を理解出来ていない人ー。はーい。

よし、今の状況を確認しよう。

さっきまで僕、荒木烏幸は友人が書いた小説を読んでいた。
友人というのは先程まで絶叫していた、新渡戸涼太くん、あまり使うのは好ましくないが一応幼なじみである。

彼が書いた小説というのは彼自身の夢を描いた小説で、今日の朝この事を報告してきた。
あ、夢というのは未来の願望の方ではなく、睡眠をしたときにみる記憶の整理、一種の記憶障害の方である。

で、彼が僕視点の夢を見て非常に面白かったから小説にしてみたというので僕も興味を持ち、とりあえず読んでみようとノートを借り放課後に読んでみた、わけ、だ。

「内容がひっどいひどい。」

「えぇ？そんなにひどいかな…。」

新渡戸は自覚していないようだが自分自身、つまり新渡戸自身の視点だったら僕もまだ生暖かい瞳で物語を読み進める事ができただろう。

「まず第一に、僕が地味にナルシストである。それはそれで、面白い点でもあるが…」

「だめ？」

駄目とかそれ以前に本人に見せたらいかんだろうに。