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「…これでよし。」 あらかじめ用意してあった便箋に、前々から考えていた文章を書き込んだ。 自分なりに考えた、精一杯の言葉だ。 そんな便箋を付属の封筒に押し込んで、机の上に置いた。 「じゃあね、くまさん。」 ベッドの上に居る幼い頃からの相方に声を掛けて、私はコートを羽織った。 まるで身体中の傷跡を、このコートで隠すように。 そして私は家を飛び出して、真夜中の街を一人で走り出した。 .
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