32人が本棚に入れています
本棚に追加
「…これでよし。」
あらかじめ用意してあった便箋に、前々から考えていた文章を書き込んだ。
自分なりに考えた、精一杯の言葉だ。
そんな便箋を付属の封筒に押し込んで、机の上に置いた。
「じゃあね、くまさん。」
ベッドの上に居る幼い頃からの相方に声を掛けて、私はコートを羽織った。
まるで身体中の傷跡を、このコートで隠すように。
そして私は家を飛び出して、真夜中の街を一人で走り出した。
.
最初のコメントを投稿しよう!