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何処までも続く砂漠、容赦なく照りつける太陽、そして腹の奥まで響き渡る爆音。
鋼鉄の体を持った陸の王者が砂漠を駆け、鷹の名を持つ電子の翼が晴れ渡った空を掛ける。
海の騎士の名を持つヘリの機内で、俺は外の光景など目もくれずただ無言で眼前の銃を見つめていた。
そして俺は上官の声と同時に視線を上げ合図で機外へと飛び出した。
砂漠に降り立った俺達を待っていたのは歓迎の拍手でも花束でもない、7.62mmの鉛弾と狂喜それだけだ。
「地獄へようこそ!」
誰かがそう言った。
ここは砂漠と言う名の地獄。
鳴り響く銃声に怒号も、助けを求める友軍の声も、そして倒れゆく戦友の姿も……。
すべてを砂塵の向こうへと飲み込む、戦場と言う名の地獄なのだから。
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