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滋のマンションの寝室で、滋は私の肩を抱いて、私はそんな滋に寄り添って雪ねぇの出産の時に思ったことを話していた。
雪ねぇの子供は、女の子。
きっと今頃、坂井さんが到着した頃だろう。
「雪ねぇが、どうして私に立ち会ってほしいって言ったのか分かるような気がするの」
私が言うと、滋は微笑んで私の髪を撫でた。
「萌梨がさ、昔、言ってたよ。美夜が産まれた日のこと、鮮明に覚えてるって。美夜たちのお父さんとお母さんに囲まれて、3人で美夜を囲んで見守ってたんだって。お母さんが頑張って美夜を産むことが出来たのも、3人が優しく見守ってくれてたからなんだ。俺はそのことに今、すごく感謝してる」
「滋…!ありがとう。私もよ。頑張って産まれてきて良かった。私、こうして滋がそばにいてくれるだけで、本当に幸せだよ」
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