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雪ねぇは、少し苦しそうに横になっていた。
長かった髪を少し切って、肩に触れるくらいの雪ねぇは、少し幼く見える。そんな雪ねぇのお腹は、まるで大きなスイカが入っているみたい。
それもそのはず、もう臨月真っ只中。
私はソファーで足を伸ばして仰向けになっている雪ねぇを見ると、
「雪ねぇ、苦しい?痛い?」
と顔を覗きこんで訊ねると、雪ねぇはうっすらと目を開けて私を見上げた。
「美夜。ごめんね、来てもらって。うちのお母さんも後で来てくれるから、それまで…」
と言って、ぐったりしている。
「なんか、飲む?」
「いらない…」
こんな雪ねぇを見るのは初めてだ。
「昼間にも陣痛が来たから病院いったんだけど、まだだって言われて帰されたの。だけど、もうこれ、ヤバいね」
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