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『絶望と苦しみを与えたあいつのこと、もう忘れなさい…』 お姉ちゃん。 でも、私。 『それが、私が望んだ未来。結末。あなたが、幸せになること。それだけを考えてた。もう、いいでしょ。十分苦しんだ。だからもういいのよ。その全ての苦しみは、私たちが持っていくわ』 やがて、姉の姿は白い光の中に消えていった。 誰にも、見えていない。 そう思ったら、美夜はふと、後ろを振り返っていた祐に気づいた。祐はまた正面を見たとき、美夜と目があって、にっこりと笑った。 祐にも、見えたのかもしれない。 最愛の人の姿を……。 美夜は涙ぐみながら微笑み、また滋と腕を組んで神父の前に並んだ。 さよなら。 少女時代の私。 私はここから、歩き出す………。 私が望んだ、未来のために。 世界の誰よりも優しくて、愛しい人と、生きていくために…。 完
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