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「あいつ、こないだ私に内緒で合コンいったのよ!!」
雅美が眉をよせながら言うと、私と香織は同時に身を乗り出して、
「そりゃ最低!!」
と怒って拳を固めると、雅美は鼻の穴を膨らませて頷き、
「大学行きはじめてから、なんかチャラい男になったのよ。昔はあんなに平凡な男だったのにさ」
と言って舌打ちしている。平凡って…そこまで言う?私はそう思って吹き出してしまった。香織は整った顔立ちをしているのに、未だに恋愛の浮いた話が出てこない。
そこに私の携帯の着信音が響いて、私はバッグから携帯を取り出してみた。
滋からだ。
思わず頬が緩んでしまった。二人は私の顔を覗きこんで、
「嬉しそう~!」
と言ってからかうように笑った。私は二人をチラッと横目で見ながらも、携帯の受話ボタンを押して電話に出た。
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