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-2030年 5月-
バンッ
夜中の都内に響く銃声
空は暗く大粒の雨が重力に逆らえず淡々と地面に落下していた。
「ったく、お前がちゃんと仕事しねぇからいけねぇんだぞ。」
「あっ…、たす…けて、だれか…」
薄暗いビルの裏路地には
脚を両手で抑え顔を青ざめにしながら手のひらの間から流れる血を必死に止めているうずくまる男と
銃を持つ男が立っていた
その男は表情を変えず銃口を倒れている男の頭を捉えていた
「やめ…て…くれ…」
ガシャ
「あぁ?」
男が持っていた銃の銃口がレーザーで切ったかのように綺麗に切れていた。
切り口は触ると軽火傷ではすまないくらいに赤く光り輝いていた。
「なっ、なにがどうなってる!?」
銃を片手にもつ男は何が起きたのかわからずただ唖然と立っていた。
少し間が開き冷静になったのか状況を把握する事ができ
まさか、と額から汗を流し口ずさんだ。
「あーあ、日本に銃持ち込むとは、随分物騒になったなこの国は」
「だ、誰だ!?」
脚を抑えうずくまっている男の奥から声がするが薄暗くてよく姿がみえない
だが足音と共に徐々に姿が鮮明になっていった。
うずくまる男の目の前まで来たとこでようやく姿が確認できた。
そいつは学生服を着ていた。
綺麗な青髪は目に少し掛かっていて顔はこれぞ美男子と言えるほどに整っていた。
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