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さらに上に浮かび上がる彼女を追い掛けながら、気付く。
自分の手足の先が、光と同化していることを。
「まだ寿命の日が来ていないのに、こちら側に来ようとするんですもの。
仕事に支障をきたすのが嫌だから、一週間だけ留めておいたの。
この世とあの世の境目に。」
彼女は、笑う。
天使の笑みではなく、口角を上げ、悪魔のように。
「楽しかったわ。
人間の、愛し愛される様を見られて。」
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