第4章:別れましょう

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「……ご迷惑をおかけしました」 しばらく泣いたらすっきりした 泣いたらっていうか吐きだしたのがいいのかもしれない 昨日は泣いたけど全部内に溜めてっただけで吐き出しはしなかったから 「だから、桜も言った通り迷惑だなんて思ってないよ」 「そうですよ 泣いたっていいじゃないですか、優姫さんも女の子なんですから 全部溜め込んでたら絶対いつか駄目になりますよ 私達でよければそれを受け止めますから、いつでも放出して下さいね」 桜ちゃんがすごく頼もしく感じる こういうのって端から見ると綺麗事を並べてるだけの馴れ合いに見えがちだよね でも私には分かるんだ 桜ちゃんが上辺だけでこんなことを言うような人じゃないって みんなみんな、私を本心から心配してくれてたんだって 「うぅ、いいところ全部紗織にとられたのだ……」 菜奈ちゃんがそんなことを言いながらいじけてる うーん、そこ競うところかな? 「菜奈っち、そんなこと言ってないで」 明日香ちゃんがそう菜奈ちゃんをなだめてる 菜奈ちゃん、何がしたいんだろう 私としてはみんなに感謝してるんだけど 「そんなことより優姫ちゃん 顔洗ってきたら? メイク崩れ……はしてないけどひどい顔だよ」 メイク崩れはするわけない 私ってあんまりメイクしない方だから まぁ顔洗ってきちゃおうかな 菜奈ちゃんは明日香ちゃんに任せるとして あんまりひどい顔をずっと晒しておくのも恥ずかしいし
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