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「にゃ」
鶴姫が玄関に向かって走っていく
ん、千鶴帰ってきたんだね
鶴姫ってなんでだか私と千鶴が帰ってくるの分かってるみたいなんだよね
まぁ寝てる時は普通に寝たままではあるんだけどね
そんなことよりも緊張するよ
久しぶりに話すからっていうのもある
それよりも私の料理が千鶴の口に合うか
私はドキドキしながら千鶴を待つ
ここのところ話すどころか千鶴を見てなかった気さえする
千鶴が時間ずらしてたのか全く会えなかった
夜は私が明日香ちゃんの家から帰ってくればもう寝てたし
久しぶりの、千鶴
少しだけ開いてたドアが開いていく
鶴姫が開けられるわけないから千鶴だ
私はエプロンの裾を握りしめる
ちなみにエプロンをしてる理由は明日香ちゃん曰く『萌え』だから
きっと千鶴が気に入るとまで言ってくれた
「お、おかえり!!」
私はそう千鶴に微笑む
ちょっと声裏返っちゃった
鶴姫を抱きかかえた千鶴は入ってくるやいなや驚いた様子
何に対して驚いてるのかは分からないけど
「た、ただいま
どうしたの?エプロンなんてして」
千鶴の声だ……
千鶴の声を聞くだけで頭がボーッとする
この感覚、千鶴に会った当初の、まだ自分の気持ちに気付いてなかった時と同じだ
「千鶴に、ご飯作ったの
食べて」
私がそう促すと鶴姫をそっと下ろして戸惑いながら座る千鶴
まぁそれは戸惑うよね
喧嘩してた筈の妻が料理を作って待っててしかもその妻は料理が出来ない筈
戸惑わないわけがない
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