終章:after

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「どうして優姫がご飯作れるの? 優姫は料理出来ない筈じゃ……」 「実はね、毎日帰りが遅かったのって料理を教えてもらってたからなの」 私はそう笑う 笑ってみるけど千鶴は戸惑ったまま 「なんで? 優姫の分は私が作ってあげるのに 優姫が料理する必要なんてなかったのよ?」 やっぱりそういうと思った だから私はずっと言わなかったんだけどね 「千鶴を手伝いたかった、千鶴に作ってあげたかった、千鶴と一緒に料理したかったの……」 「じゃあなんで私に黙ってそんなことを……」 「言ったら『必要ない』って止めるでしょ」 「……え、えぇ」 頷く千鶴 だから言えなかったんだよ 私は料理がしたい 千鶴は料理させてくれない だったら黙って練習するしかないじゃない 「でも、だからって、あの時の喧嘩の理由はそれじゃない どうしてあの時言わなかったのよ そんなことのために喧嘩してたらもったいないじゃない」 何がもったいないって、分かってる 一緒にいられる時間 それよりあの時言わなかった理由、か まぁそれはもう1度言っちゃったけど、もう1回言わせてもらうよ 「あの時は全然何も作れなかったから証拠がなくて……」 「証拠なんて必要ないわ」 「今の千鶴はそうかもだけどあの時の千鶴は絶対証拠がないと信じてくれなかったよ」 これは自信を持って言える あの時の千鶴は私のことを信じられないって言ってた 今と同じことを言ったとしても千鶴は信じてくれなかったと思う
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