番外編:もし明日

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番外編:もし明日

「もし明日、人類が滅亡するとしたら、どうする?」 千鶴は不意にそんなことを尋ねてきた 人類滅亡 何度もそんなこと言われて何も起きなかったじゃん 1999年のノストラダムス、2011年~2012年のマヤの予言 色々あったけど私達はまだ生きてる あんなに騒がれてたのにね だから私はもう予言なんて信じてなかったりする でもまぁ千鶴の質問は違うか 予言を信じてるかじゃなくて人類が滅亡するとしたら もし明日、人類が滅亡するとしたら―― 「その瞬間まで千鶴とずっと一緒にいる」 「一緒にいるだけ?」 一緒にいるだけで十分 だけど、まぁ強いて言うなら 「いっぱいお話しして いっぱい触れて、いっぱいキスして 一生分千鶴といちゃいちゃする」 一生分がどのくらいか知らないけど 死ぬんだったら最後まで千鶴と触れ合ってたい 「こんなに愛されてるなんて私は幸せね」 「人類が滅亡しても、私は千鶴が大好きだよ」 私はそう、千鶴のほっぺにキスをする 唇じゃないキスなんて久しぶり でもなんだか逆に新鮮でいいね 「私も、優姫のことずっと大好き」 千鶴はおでこにキスしてくれる えへへ、なんだかいいね 明日人類が滅亡してもきっと私は後悔しない そりゃもちろん千鶴ともう少し一緒にいたかったな、とは思うと思う けど、幸せなまま死にたいなって思わなくもない だから幸せな今死ねたら なんてね 本当は死にたくないよ 千鶴と一緒にいたいもん ただ死ぬとしたら千鶴と一緒がいいなって話 ただそれだけの、オチもない話
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