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番外編:挨拶
「お義母様に挨拶に行く!!」
私は何の前触れもなく、千鶴が帰ってきて早々そう言った
おかえりのあとすぐ
「挨拶?
何の挨拶?
優姫とお母様会ったことあるわよね?」
お義母様だけじゃない、お義父様やメイドの若松さんにも挨拶した
でもその中で私と千鶴の関係を知ってるのは若松さんだけ
話したわけじゃなくて見てたら分かった、とのこと
若松さん、そういうの鋭いみたい
「会ったけど
前は千鶴の後輩としてだったでしょ?
今度は千鶴の妻として挨拶したいの」
「ダメよ!!
そんな、私が女の子と付き合って、結婚してるなんて知ったらお母様どう思うか……
というか挨拶するとして、お父様はいいの?」
「まずはお義母様に
同性であるお義母様ならきっと理解してくれるもん」
お義父様は悪い人ではないんだけど、そういうの理解なさそうだから
実際、千鶴の後輩としての私にはよくしてくれてるし
「……まぁ、いいわ
連絡取ってみる
その結果、引き離されるようなことになったら駆け落ちするから覚悟はしておいて」
私も元からそのくらいの覚悟はある
千鶴と一緒にいられるんだったらなんだってするもん
「うん、その時はその時だよ!!」
「じゃ、連絡取ってみるから、待ってて」
千鶴はそう言って携帯を取り出す
携帯を耳の方に持っていく
しばらくすると千鶴は話し始めた
「お母様、優姫がまた遊びに行きたいって言ってるんだけど
え?お父様いないの?
分かった
――うん、伝えておく
じゃあ明日ね」
聞いてる限りOKみたい
あとお義父様が今家にいないのかな?
「千鶴、なんだって?」
一応聞いてみる
「今お父様単身赴任中らしいわ
それで、お母様の方は
『優姫ちゃん来るの!?
明日OKよ、というか明日来なさい
楽しみだわ、優姫ちゃん可愛くて良い子なのよね
優姫ちゃんに愛してるって伝えておいて』だって」
えっと……
私大分千鶴のお義母様に好印象みたい
悪印象ではなくて良かったよ
最後の愛してるはよくわからないけど
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