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番外編:年越し
「あと5分で年明けだね」
千鶴と二人暮らしを始めてから初めての年越し。
今までもずっと千鶴と一緒に年越しはしてきたんだけどね。
「にゃあ」
あ、そうだったね。
鶴姫もいるから初めて家族で迎える年越しだ。
「今年は何をして年越すの?」
今年は、というのにも意味がある。
毎年何かしながら年を越してたから。
最初の年は手を繋ぎながら。
次の年は恋人繋ぎ。
その次は抱き合いながら。
その次の年からはずっとキス。
だから勝手に今年もキスしながらかと思ってた。
逆に何をするんだろう……。
千鶴のことだから……。
「え、えっちなことは駄目だよ!!」
「ふふ、誰もそんなこと言ってないわ、エロ姫ちゃん」
そう私のおでこをつん、ってする。
うぅ、千鶴の考えを読もうとしただけなのに。
「じゃ、じゃあ何するの?」
「キスでいいじゃない」
「私もそう思ってたのに!!」
千鶴なんで余計なこと言ったのよ……。
あんなこと聞かれなければ私だってキスで年越す予定だったもん。
「優姫ならえっちしたいっておねだりするかな、ってちょっと期待してたんだけどな」
「期待しないでよ!! もう、変なこと言ってる間にいつの間にかもうちょっとで年越しだよ……」
あと1分切ったかな?
まぁ、今年もキスで年越しなんだね。
「目をつむって。もうキスし始めるわ」
「……ん」
私は目をつむって少し上を向く。
千鶴は私の唇に唇を重ねる。
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