序章:呼び方

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「お姉様、まだかなー」 私は駅前で最愛の人を待つ 春とはいってもまだ寒いな…… でも私の最愛のお姉様を待つんだったらそんなの気にならない 私の結婚相手であるお姉様 いや、実際は籍が入れられないから結婚しているわけじゃないんだけど でも結婚指輪はもらったもん 式みたいなことだってやったもん だから私とお姉様は夫婦(婦婦?)なの そんなことを考えながら指輪を見つめる お姉様もこれと同じのをしてるんだよね 自然と顔が綻んじゃうな お姉様と結婚してからもう4年か 私はこの春聖ルキア女学園を卒業してとある大学に行っている お姉様とは違うけど、奏ちゃんとは同じ 奏ちゃんならもう少し上狙えたのに奏ちゃんはここがいいって…… 本当によかったのかな…… 「あれ?優姫ちゃんよね?」 不意に声をかけられる 声のした方を向いてみると綺麗な人がそこにいた ――ってまぁ早苗お姉様だったりするんだけど 早苗お姉様が卒業して以来連絡は取り合ってたけど会ってなかったから2年ぶりかな 「早苗お姉様、ごきげんよう」 「くす、優姫ちゃんって外でもそんな挨拶なの?」 あ、懐かしくてついこんな挨拶しちゃったけどここはルキアじゃないんだった…… ごきげんようだなんて挨拶普通はしないよ…… 「あ、えっと……」 「優姫ちゃんは相変わらず可愛いわね それに呼び方も ここはルキアじゃないんだからお姉様はいらないって前も言ったでしょ?」 そういえばメールで言われてたね 早苗さんでいいとかなんとか んー、でもやっぱり早苗お姉様は早苗お姉様って感じなんだよね……
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