序章:呼び方

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「気は済みました?お姉様」 絶対気が済んだ筈はないと思いながらもそう尋ねる私 お姉様のあしらい方は大体いつもこんな感じ 「うー、優姫のいけずぅ……」 お姉様の拗ねた顔も大好きだな いつもの綺麗さからは考えられない可愛さだよ 「お姉様は何でそんなに私に呼び捨てで呼ばせたいんですか?」 こんな顔見せられると私もちょっと甘くなっちゃったり だって、仕方ないよね? 最愛の人が拗ねてるんだよ? 「だって優姫の可愛い口で私の名前を呼び捨てで呼ぶのよ? それ以上に嬉しいことなんていくつもないわ」 そんなに? 確かに私もお姉様に呼び捨てで呼んでもらったときは嬉しかったけど 「呼んだら、何してくれます?」 「いっぱい愛してあげるわ 嫌っていうくらい」 そっか、いっぱい愛してくれるんだ 嫌ってなることはまずないと思うけど 私いっぱいお姉様に愛されたいもん 「えと、そのうち呼ぶようにします」 今すぐは心の準備が出来てないし 「そのうちじゃ嫌よ 呼んでくれるまでキスもえっちもしてあげないんだから」 …………え? えっと、それは困るかも どうしよう……
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