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それでもハルカは息を切らしながらリナを一つ励まし、気を入れ直して前を向くと、ふと何かに気付いて動きが止まる。
「・・・?どうしたの・・・?」
数歩遅れてリナもまたソレに気付くと、これまた死にそうで死なない程度に叩かれた蚊の様な弱々しい語気でハルカに聞く。
「遠くの方に何か見える・・・、」
「遠くの・・・?」
先ずハルカを見て、次いでその視線の先を追う。
するとその先はるか前方、確かに小粒程度にだが、何か建物のような形のモノが見える。
もう少しよく目を凝らして見ると、確かにソレは何か建物らしいソレ。
はるか遠目に見えるジオラマ。
「あれってもしかして・・・」
「街?!
まち?!」
ソコでようやく分かるシルエット。
ようやく見えたその目的地。
確認して0.X秒、思わず出た二人の声がリンクする。
「ようやく見えたよ・・・、」
「でもまだ大分あるよ・・・、」
が、それでもまだまだあり過ぎる街との距離に、二人共喜びの直後、嫌な方の意味で肩の力が抜ける。
「と・・・、とにかく・・・、もうひと踏ん張り・・・行こう・・・、」
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