短い、短いお話たち

風邪っぴき

寂しいな。

風邪を拗らせて、誰もいない家で一人床について一言。

なんで風邪なんて引いたんだか。体には自信があったのになぁ。

･･･うん。思い当たる節はあるんだよね。

昨夜、先輩と外で･･･ｺﾞﾆｮｺﾞﾆｮ。

･･･あ、熱が上がった気がする。他のこと考えよ。

先輩は･･･、大丈夫だろうな。いろいろと規定外な人だし。私は風邪なんて引かないなんて豪語してたし。

でも心配だ。こういう時にケータイを持ってない自分が恨めしい。気軽にメールができない。

先輩が買ってくれるって言った時に、素直に甘えて置けばよかったかな。

そうすれば、こういう寂しい時にも声が聞けるし。

･･･うん。学校に行きたい。行って、みんなで騒いで、先輩に会いたい。

まぁ、それができないのも昨日先輩に押し負けた自分がいけないんだけど。

･･･また熱が上がった気がする。

さて！ 寝るか･･･、あれ？ こんな時間にチャイム？ 誰だろ。

もう学校は始まってるから誰も来ない筈なのに。

もしかしたら、先輩が学校をサボって会いに来てくれたのかもしれない。

なんてね。先輩だって今日は学校だ。これからはちゃんと学校に行くって約束したし。

ホントに誰だろ。ピンポンピンポンうるさいなぁ。頭に響く。

よし、ドアを開けて文句の一つでも言ってやろう。