最悪な朝

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中学一年の時のある朝。 教室の黒板にチョークで描かれた、こけしのような顔と私の名前。 まあ、似てるかもね。 一重瞼の小さな目。 何も手入れしていない眉毛。 先日美容院でカットした黒いストレートの髪は、襟足までのボブカット。 前髪は眉毛のあたりで一直線に切り揃えられている。 うん、完全にこけしだ。 ニヤニヤ笑って、こちらの様子をうかがうクラスメートたち。 私はあえて何も言わず、自分の似顔絵を消す。 顔には出さないけど、傷ついていた。 綺麗になりたい。 もっと可愛くなりたい。 そう思いながら、似顔絵を消し去った。
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