最悪な朝

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私は覚悟を決めて、まっすぐ歩いた。 二人の距離があと1メートルほどに近づいた時。 レンがスッとサングラスを外し、私の目の前で足を止めた。 ドキン、と心臓が音を立てた。 私のこと、覚えていた……? くっきりとした二重の目が、私を射抜くように見つめる。 呼吸をするのも忘れ、レンと見つめ合う。 かっこいい……。 顔の輪郭、その中にあるパーツの一つ一つ、きめの細かい肌……全てが怖いくらいに整っている。 サングラスをかけていた時もその端正な顔立ちには気づいていたけれど、その形の良い綺麗なアーモンド形の目がさらに魅力を引き立てていた。 こんなに綺麗な容姿をしている男の人を見るのは、初めてだった。 ケチのつけようがない、美男子が微笑む。 そこで、私は急に恥ずかしくなって目を逸らした。 顔が熱く、胸の鼓動が早まる。 呼吸がうまくできず苦しい。 「これ」 はっとして顔を上げると、一枚の小さな四角い紙を差し出していた。 「メアドと番号書いてあるから、連絡して」 有無を言わさぬ物言いに、そのまま受け取る。 名刺……?
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