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「どーもー、免許です~」
貴ちゃんが亡くなって、早1年。俺はずっと免許と名乗ってる。それが貴ちゃんの最後の頼みやったから。
今日の仕事を終えて、奈良へ墓参りに向かった。
―井本貴史乃墓―
「あった、これや」
俺は墓に線香、ロウソク、花束を置いて、拝んだ。
「貴ちゃん、久しぶり。ずっと来れんくてごめんやで」
「あれから、もう1年やな。めっちゃ早かったわ」
「相変わらず、免許やってんで。貴ちゃんの場所もあけたある」
「生まれ変わっても、また俺とコンビ組んでな」
「俺も幸せやった。ありがとう!!」
俺は満面の笑みで井本に伝えた。
その日の空は青かった…。
END.
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