急接近

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オムライスが運ばれてきて、無言で食べきると、春菜は1000円をテーブルの上に置き、さっさと出ていってしまった。 それを見て慌てて会計を済まし追いかける悟。 悟『待てよ!映画行かねえ?』 春菜『マジ勘弁して!!嫌に決まってんじゃん』 悟『じゃあ、カラオケ(笑)』 春菜『あんた、本当に話し聞かない奴だね!行かないってば!』 悟『カラオケ決定(笑)よしっ!』 まったく春菜の意見など無視して悟は、手を引きカラオケBOXへと向かった。 悟『何を歌うかなぁ?久々だから慣れた曲からだな!俺、決めたから次お前な!』 無理矢理つれてこられたあげく、リモコンを渡され状況が飲み込めない春菜。 春菜『歌わねぇし』 リモコンを置くと、帰ろうとドアに向かった。 悟『帰んなよ…』 切なそうに悟が訴える。 春菜『…』 悟『今日は、少しだけ遊んでくれよ…』 春菜『…』 悟『頼む…』 何度も、お願いをする悟に怒る気になれず、もう一度座ってリモコンを手にした。 悟『ありがとな!』 そう言って歌いはじめた悟。 悟が歌い終わると、次の曲が流れ始めた。 春菜が選んだ曲は、切なく苦しい失恋の歌だった… 悟は、興味津々で春菜が歌うのを待っていた。 前奏が始まり、春菜が歌い始める… 死ぬほど上手い!! しかし、感情が何も入っていない… ただ、淡々と歌い続ける春菜に胸が苦しくなった…
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