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私は今日も眠れない
お気に入りのブランドの可愛いベッド、母さんに無理して頼んだ16歳の誕生日プレゼント
淡い桃色の布を纏った羽毛に包まれて
私は今日も眠れない
明日のことを思う
そのまた明日のことを思う
今の私には答えは出ない
いや
出すつもりも無いのかもしれない
ただ
一人、部屋の天井を眺めていると幼く
ただ向かいにあった公園で遊んでいたことを思い出し、
今日もまた、
瞼を閉じる
『君は一人?』
両目まで伸びた前髪が印象的な少年が話し掛ける
『ねぇ、一人?』
答えない私にもういちど話し掛ける
“一人だよ”
とっさに答えてしまった私
『そう…で………くの……?』
声が聞こえなくなる
ふと
小さくまばたきをする
少年がいない
母の呼ぶ声がする
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