第一章 窓の外

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母親の葬式が済み、色々なことがあっと言う間に過ぎていく。 だが、郁はただ時間が流れるのを待つのを止めた。 「お父さん、今日は私が買い物に行くよ」 「…大丈夫か?」 大丈夫、と答えるかわりに、郁はカーテンに手をかけた。 …大丈夫。 私の止まった時間を、ここからまた始めるんだ。 シャッ 郁は一気にカーテンを開けた。 そして、そこに見たものは、綺麗な桜吹雪だった。 「う、ぅ…」 涙があふれて、そこに座り込んだ。
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