第二章 帰る場所

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「待てコラァー!!!」 追われても、逃げ足だけは凄い。 進次郎(しんじろう)は、追っ手との距離を見極めて、左の脇道に入った。 その後、大きな屋敷の横をすり抜け、川沿いにある小屋に潜り込む。 よし、ここまでくりゃ大丈夫だ。ヤツらはこの隠れ家を知らねぇ。 進次郎がホッと息をつくと、小屋の奥から声がした。 「しんちゃん、またやったのか。 もうそろそろ、やめときな」 「おう、がっちゃん。 いやー、これ止めたら死んじまう。 平島から嫌われてる俺には、援助がねぇからな」 がっちゃんは、この世界での友達。 平島は、この世界での…所謂、ボスである。
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