第二章 帰る場所

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平島という男は、この辺り一帯を仕切るボスであり、進次郎がホームレスになったときには既に不動の存在となっていた。 平島にはバックに団体があるらしく、食品の援助も受けている。 それを目当てに、全員が子分となり、自然と平島はボスになったというわけだ。 しかし、進次郎はそうしなかった。 …自由に生きたいんだ。何もかもを捨てたんだからな。 ワケあってホームレスとなった進次郎は、縛られることが嫌だった。 特に上下関係など、この上なく不快であった。
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