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「おい、ブランク」
ベッドで寝ようとしていたブランクは龍希の言いたいことを察して露骨に嫌そうな顔をしながらそこを降りる。
「指輪があるからと言って調子に乗るな」
「いや、違うよ。母さんの布団をリビングのテーブル退かして敷いといたからそこで寝れば?お前この部屋じゃ寝返りうてないだろ」
「……そ、そうだな」
「いやー、何で母さんの布団に気付かなかったんだか……」
「………」
独り言を呟く龍希をブランクは唖然と眺めていた。
「人間」
「ん、何だ?」
「今度、山で飛び方を教えてやろう」
「お、おお。ありがと」
「……ふん」
「じゃあ、お休み」
「ああ」
今日は少し距離が縮まった龍希とブランクであった。
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