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「う……」
片や歩きながら伸びをするこの男は、高校から部活を終えて帰るところの羽桜龍希(ハザクラ タツキ)である。
黒髪に特色の見当たらない顔。更には学校の成績、運動神経に至るまで普通。無論、長所を探せばいくつか存在する。しかしながらそれもある意味では普通である。
「ん?何だこりゃ……」
龍希が拾い上げたのは、見たことも無い装飾の施された蒼い指輪。
そしてこれは、決して普通ではない生活の幕開けであった。
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