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「指輪だ」
「指輪……!」
龍希は思わず鸚鵡返しをしてしまった。何を隠そう指輪は今自分の指にある。値打ち物なのだろうか……と不安が駆け巡る。
「確かにこの近くで気配を感じるのだ。人間の常識に反するかも知れぬが、紛れもない事実。あれは我にとって大切な物なのだ」
やはり何か重要な物のようだ。だが自分はそれを身に付けてしまっている。返したいが、できればドラゴンの機嫌を損ねる何て真似はしたくないのも事実。
「先程の言動が気に障ったのなら謝る。指輪を無くして焦っていたのだ。頼む、何か知っていたら教えてくれ」
そのドラゴンは素直に頭を下げた。その様子を見て、龍希はますます困惑する。
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