任務

2/16
前へ
/157ページ
次へ
教室に戻って暫くすると、山下教官が落ち着き払って歩いてきた。 「今から任務のチームを決めて貰う。一年は三人、二年から一人、三年から一人で一チームとする。自分たちで先輩を探して頼めよ。 探し終えた奴から俺に言いに来い。任務を渡す。 今日で見つけろよ。二、三年は校庭に集まっている筈だ。」 一年はそれを言うと次々に仲の良い人から三人組になっていく。奏は鈴果と刹那と組むことにして、校庭にむかった。 校庭では、二年がサッカーをしており、三年は観戦して楽しんでいた。誰も知り合いが居ない奏たちはとりあえず眺めていた。 「おーし!来い!」 「千夏だ!千夏にボールを渡すなよ!」 サッカーでは一人の女が活躍していた。紅蓮の髪に目をしており、短髪な髪がふわふわと揺れている。背が高く、体格が良い。結局、サッカーではその女がボールを取り圧勝していた。 「凄いですね。」 「……うん。」 その様子を眺めていた奏がそう言うと、鈴果も同意の意志を示した。刹那は混ざりたいのかうずうずしているようだった。その時に汗を拭きながら笑っている女と目が合った気がした。 「おーい、そこの子!あたしと組まない?」 そう言って走ってくる女に周りに座っている一年も誰が呼ばれているのか分からずにざわつき始めた。 「おいってば!そこの銀灰色の髪した美少女!」 皆が一斉に奏を見るが、奏は美少女と言われた事で誰か分からずにキョロキョロしていた。そんな中で女は奏の真正面に来ると奏の手を掴んだ。
/157ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加