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学園長の長々とした話を聞きながら、奏は眠気と戦っていた。適当に後ろの席を見繕って座っているため、寝てもバレるわけではないが何とか起きようと奮闘している所は真面目としか言いようが無いだろう。
やっと話が終わり、一年の教室に向かう。講堂のようになっているそこには奏以外の殆どが揃っていた。
そこで近くにある空いてる席に座ると、チャイムと同時に教官が入ってきた。
いかにも厳つい教官であり、体格の良い。教官は前にたつと、自己紹介と共に話を始めた。
「このクラスを担当する山下だ。私は雷の属性能力の担当もしている。
この後は使い魔契約とギルドの任務を先輩と組んでしてもらう。流石に始めからお前たちだけでさせるのは危険だからな。
先に使い魔契約を済ませる。第一競技場に20分後に集合だ。」
そう言って山下教官が出て行くと教室にいる皆もぞろぞろと移動を始めた。
「なぁ、お前の名前何て言うん?俺は刹那。有松刹那(アリマツセツナ)。雷の能力を持っとる。んで、こっちのが畑山鈴果(ハタヤマリンカ)。回復の能力や。」
奏もまたその教室の流れに任せて移動しようとした時、二人の男女に声をかけられた。
有松刹那と名乗る男の子は、いかにも元気で明るい茶色の髪に青い目をしている。関西弁なのは見よう見まねだと笑顔で語っている。
もう一人の畑山鈴果という女の子は、口下手なのだそうだ。黒いロングの髪を横で一つに纏めており、小柄な可愛らしい女の子だ。
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