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「あ、僕ですね。」
最後まで皆がするのを眺めていた奏は、自分が最後だと分かり魔法陣まで歩いていった。手をつき魔力を流し込む。
「今、谷原奏の名に置いて契約を結ぶ。我の声を聞き届けしもの姿を表せ。」
その奏の声に反応して魔法陣が光り出す。次いで、皆の時にはなかった霧のようなものが辺りを包み込んだ。
奏も疑問に思いはするが、まだ使い魔となるものが出て来ないため魔法陣から手を離せない。
霧のようなものが奏と魔法陣を完璧に覆い誰からも見えなくなるとショートくらいの漆黒の髪に紅い目をした男が姿を表した。
「使い魔ですか?」
「お前が我を呼んだのか?」
「恐らくそうです。」
奏がそう答えると男は驚きに目を見開いた後、笑い始めた。
「あなた誰ですか?」
そんな男に臆する用事もなく言葉を発する奏に男は一層笑いを深めた。
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